英文の翻訳における推敲塾

英文の翻訳について、語学系の大学生に「この記事を翻訳してください」といった課題を出すと、大体八割以上の学生は、記事の内容をそのまま日本語に「変換」だけで、「翻訳」という作業プロセスをしてくれません。なぜかというと、大学での語学、とりわけ文法教育というのは、まだ単文を間違いなく訳すことに主眼を置いており、文章全体で自然な日本語をつくる、といった点は軽視されたままだからです。

こういった大学生の直訳問題を避けるために、私は英文の翻訳に対して、少なくても三回の推敲を行うことをおすすめしています。推敲とは、できあがった文章を読み直し、誤字脱字といった基礎的な間違いから文章の流れまでを確認し、ひとつずつ直していく作業です。

まず一回目は単文単位で見ます。英文の翻訳は本当に正しいか。おかしな日本語になっていないか。

それが二回目の終わり。今度は訳文の前後も一緒に読むことで、数行ないし一段落をまとめて確認をします。このとき基本的な間違いはほぼ訂正されていますので、あとは前後の接続的なことを重点的にチェックすることになるでしょう。

そして、三回目の推敲。今度は訳文のすべてを読み通し、最終確認の過程として、翻訳仕上がりに左右する作業工程になります。

二回目の推敲で、少なくとも文章として読める日本語ぐらいにならないといけませんので、三回目は本当にさらっと読むだけで問題ありません。

英文の翻訳の推敲は実際の翻訳作業と同じくらい重要な要素です。しっかりとした翻訳の成果物を仕上げるためには、決して手を抜くことなく、きちんと行いましょう。

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