英語翻訳というものは、単に学校で習った英語の範疇だけでできるものではありません。基本を理解していることは前提として、さまざまな観点を考慮しながらの作業が求められます。
この記事では英語翻訳で気をつけたい大切なことを7つに絞って、詳しく解説いたします!
英語翻訳に求められるポイント
英語翻訳を行う上で翻訳者に求められるポイントは、「筆者の意図」をできるだけ忠実に再現することです。それはなぜか、そのためには具体的にどういう注意点があるのか、順を追ってお話ししましょう。
原文の主旨を忠実に
作家と翻訳者は文学を生業にしているという点では同じですが、その性質はまったく違います。翻訳者は作家が生み出した「原文」を理解し、いかに正しく異言語で表現できるかが重要なのです。
そこで必要となるのが原文を読解するスキルであり、その力を生かしつつ、原文の分野やフォーマットを考慮したうえで、筆者の意図の的確な分析が必要となります。
原文が英語であれば、英文法の構造を把握し、適切に訳語を選ぶことが大前提です。英語らしい表現を日本語として成立させるという、当たり前のことがなかなか難しいといえます。
とはいえ、ここの文章を訳すのに精いっぱいになると、全体の意味や文脈がわかりづらい文章になり、結果的に筆者の意図が伝わらない「誤訳」となりかねません。
最初は段落をひとつでもいいから正確に把握して、そして意味のつながりが生きる文章の組み立て方を練習することがおすすめです。
原文をそのまま再現するための2つの注意点
先に述べたように、原文の主旨を忠実に再現するためには、注意しておくべきことがあります。それは、以下の2項目です。
- トンマナや視点をブレさせない
- 読みづらさをゼロに
それぞれについて、もう少し詳しく触れておきましょう。
トンマナや視点をブレさせない
筆者が伝えたいことは何かを把握できたら、書き手の視点を明確に定めて、文章のトーンやマナーを統一します。筆者が想定している読者層や文章の背景や設定などによって、どのような文体がふさわしいかを熟考しましょう。
そのために書き手の視点を明確に定めることが必要ですが、これは必ずしも頭から決め打ちせず、ある程度書き進めてから全体を統一するほうがよい場合もあります。
視点やトーンが定まってくれば、自然と訳語の選び方も決まってきます。もちろんそのためには表現力の幅も求められるので、訓練と経験が必要です。それが磨かれていくと、一貫した説得力がある訳文がかけるようになります。
読みづらさをゼロに
読者に意図的に注意を喚起するような場合は別として、特にそういう意図がないのに書き様によって読みづらさを感じさせることがあります。それが多いと、文章としての完成度は低くなるのです。
例えば主張や表現があいまいであったり、逆に強すぎたり、分かりにくかったりなどの偏った文章は読みづらい印象を持たれます。
しかし自分で書いた文章を、第三者的な目線で読むことは難しいものです。そこで、誰か他の人に頼んで読んでもらい、読みづらさや不自然な箇所がないかを指摘してもらうのがよいでしょう。
それを繰り返すなかで感覚をつかみ、徐々に自分で言い回しや言い換えのパターンをストックして、自己チェックが出来るよう訓練するのが望ましいといえます。
翻訳者に必要な資質がある?
翻訳者には前述の様なさまざまな訓練も必要ですが、求められる資質というものもあります。その資質について、少し掘り下げてみましょう。
翻訳者に求められる3つの力
翻訳者にとって必要な資質とは、具体的には以下の3つの力です。
- イメージする発想力
- リサーチする集中力
- 情報を取捨選択する力
それぞれの力に意味を紐解いて見ましょう。
イメージする発想力
よい訳文を書くためには、言葉というものにさまざまな角度から興味を抱くことが大切です。多くの言葉を自分の中で昇華し、様々な表現に翻訳してアウトプットができるようになれば翻訳スキルが向上します。
そのためには頭の中であれこれとイメージを膨らませ、柔軟な発想で表現する資質がものをいうのです。
それがあれば、論理的に原文を分析して正しく読み取り、原文に足りない要素を保管したり不要な情報をそぎ落したりして訳すことができるようになります。
生き生きとした描写のためには、原文の世界にどっぷり浸かり、意味が分からない言葉は周到に下調べをして情報を集め、それをもとに文脈や全体のロジックを考えながらイメージを膨らませて最終的に答えを導き出すのです。
そのためには、ジャンルを問わずさまざまな文体に触れて表現の幅を広げ、柔軟な発想力を養うことが重要となります。
リサーチする集中力
原文の中の語句の意味が理解できず、辞書にも該当するものがなければ、日本語での適切な定義が見つからない場合も往往にしてあります。
そういうときは、対象の語句が英語で説明されている海外のサイトを探して読むと、答えが得られることもあります。その方法はとてもシンプルで、「〇〇 meaning」や「〇〇 意味」と検索するだけで(〇〇には調べたい語句を入れてください)解説してくれるサイトがヒットします。また、Googleで検索すれば、トップに翻訳された語句が表示されるのでとても便利です。
また、場合によっては膨大な数の選択肢が出てくることもありますが、その場合に決してフィーリングだけで選ばないようにしましょう。あくまで原文が持つニュアンスを忠実に再現できるかという視点で選ばないといけません。
なかなか見つからないにしても、膨大な候補が見つかるにしても、正しい翻訳のためには根気よく探し、どれが最も適切かを調べ続ける集中力が問われるところです。
情報を取捨選択する力
翻訳を行う上で「多義語」は難しい課題の1つといえるでしょう。「多義語」とは、ひとつの言葉に対して複数の意味が存在する言葉のことです。多くの言葉が程度の差はあれ、多義語であるといえるでしょう。
辞書では、ひとつの言葉が持つ様々な意味の関連性については、ほぼ言及されていません。そこで翻訳に必要となるのが、多くの意味からずばり原文の意図に適うものを選ぶ「取捨選択」をする力です。
この素養を養うには、常に物事をさまざまな面から捉えられるように心掛けることが大切となります。考え方や捉え方のストックが増えれば、取捨選択の確度が向上するからです。
翻訳という作業の基本
ここまでは英語の翻訳において、基本である原文に忠実に訳すための注意点や翻訳者に求められる資質などについて紹介してきました。ここでは翻訳という作業の基本について触れておきましょう。
常に立ち返るべき2つのポイント
翻訳作業には迷った時に立ち返るべきポイントがあります。それは以下のふたつです。
- 学びと情報の蓄積
- 誤訳を避ける英文法の重要性
それぞれの要諦を少し掘り下げてみましょう。
学びと情報の蓄積
翻訳において、人によって苦手なことや伸ばしたいスキルはさまざまでしょう。自分の力を謙虚に見つめ直したうえで、学びと情報のストックを増やすことで、徐々に向上することができるものです。
例えば、電車に乗っている時に吊り広告を目にすると、情報誌の広告、ブランドや製品、お店の宣伝などのいろいろな文面が並んでいます。面白いキャッチコピーを見つけたら、どういう風に訳したらしっくりくるかを考えたり、辞書で調べたりすることは効果的です。
読んでいる雑誌やカタログの中の一文にしても、同じ訓練ができます。これらを繰り返すと思考回路が発達して、結果的に翻訳での表現力の幅が広がることにつながるのです。
誤訳を避ける英文法の重要性
翻訳を行う上で峻別しなければならないのは「意訳」と「誤訳」です。意訳とは原文を逐語的ではなく、意味を重んじて翻訳することになります。そして誤訳とは、ずばり誤って翻訳することです。
これらはいうまでもなく、まったく別物になります。ただし気をつけないといけないのは、翻訳初心者が「この文章は直訳すると分かりにくいので意訳しました」という場合に、誤訳になっていることがしばしばあるのです。
誤訳が多い場合には「英文法」の理解が充分でないことが多々あります。英文法はいかなる英文の解釈や作成においても基本中の基本となるものです。
原文を分析し構文を把握する作業において、一文がとても長い場合や、構造が複雑な場合でも、まずは自分の力で見当をつける必要があります。
そのための基礎力こそが英文法の深い理解です。それを身につければ常に正確に文章を捉えることができて、誤訳を避けられるようになります。
ビジネス英語翻訳の難しさ
英訳や和訳ができる人はたくさんいますが、だからといってビジネス英語の的確な翻訳ができるかというと、そんなことはありません。その理由は以下の通りです。
ビジネスは翻訳の質によって左右される?
翻訳作業の中でもビジネス英語の翻訳は、特に原文を正確に別の言語で表現しないと、ビジネス上で齟齬が生じて実害に及ぶリスクがあります。
そのため、原文への理解度が高いほど正しい翻訳が可能です。理解度を上げるには、その国のリサーチをすると良いでしょう。言語はもちろん、文化的特徴や歴史の背景、社会情勢など広範囲であるほど翻訳は有利に進みます。
また、書籍によっては文書内の雰囲気や意図に合わせた表現を用いなければなりません。翻訳者はそういった特徴を踏襲できるセンスも必要になります。文書の目的によって妥当な文章表現は異なるので、翻訳の質が問われるのです。
翻訳会社への依頼をおすすめする理由
日本語の文書では主語が一人称の場合は省略されることが多いのですが、英文の文書では主語は明記されます。
日本語に翻訳するときに、すべての文頭が主語から始まると不自然な印象を与えてしまいます。また、英語のように単数と複数をとりわけ区別しなくてもよい場合が多く、区別しすぎて違和感があるというのもよくあるケースです。
このように双方の言語の違いを考慮して、バランスよく自然な文章を再構築する作業は、単に英訳ができる人なら適切な翻訳ができるというものではなく、ましてや自動翻訳ではとうてい真似ができません。
そのため重要なビジネス文書の翻訳に関しては、翻訳のプロに任せることが必要となります。
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英語を母語とする人口は5億人以上いて、母語でないけれど使用する人口は7億人を超えます。このように英語は多くの国で公用語、ないしメジャーな言語となっているのです。
もちろん、国際共通語としても最も広く用いられています。グローバルなビジネスにおける文書は英語がデフォルトです。
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